知覚過敏のお話
本日、6月4日虫歯予防デーにあたり、歯の定期検診、定期メインテナンスの重要性を 提言させて頂きます。
みなさんは、知覚過敏という言葉を耳にした事がありますか?
冷たい飲み物、あるいは酸味の強いミカンなどを食べるとズキンとしみる、また歯ブラシの毛先が触れると痛む…。
虫歯でもないのに歯がしみて痛い、という症状の多くが知覚過敏です。
【いったいどこがしみてるの?】
知覚過敏は、正式には象牙質知覚過敏と呼ばれます。
歯は、図のように頭の部分はエナメル質と言いう非常に固い素材に覆われ、中は象牙質、そして神経(歯髄)が通っています。ところが、根の表面にはエナメル質がないため、根が歯肉から露出すると象牙質に様々な刺激が直接伝わり、それが歯の神経まで届いてしみるのです。象牙質には、無数の小さな穴があいており、これ(象牙細胞)が刺激の伝達に関わっています。
【知覚過敏の原因は?】
知覚過敏の原因は様々です。歯根の表面が露出していても、知覚過敏が必ずおこるわけではありません。上記の象牙細胞の穴が自然とふさがって刺激を伝えにくくなればしみません。
ところが、次のような場合は、知覚過敏をおこしやすくなります。
1) 露出した歯根がプラ―クで汚れている
2) 露出した歯根を歯ブラシで強く磨く、あるいは歯磨き粉の研磨で
傷つける
3) 歯ぎしりやくいしばりで過剰な力がかかって、歯根の表面が割れる、
はがれる
【しみなくなるために】
知覚過敏の治療は、原因をできるだけなくして刺激を伝えにくくすることです。
軽症から重症まで、段階をおって治療法がいくつかあります。まずはご自身でできる軽症対応の治療法(低研磨性あるいは研磨剤無配合の歯磨き剤で、やさしく、小さな動きで丁寧に歯磨き→知覚過敏防止歯磨き剤を使う)から始めてみてください。
ただし、自己流の歯磨きや歯磨き粉選びが間違っている危険性がありますので、歯科衛生士のアドバイスを受けてからお試しください。
なお、歯ぎしりやくいしばりがある方は、それが知覚過敏と関連しているかを診てもらうと良いでしょう。必要に応じて歯ぎしり防止のナイトガードなどを併用します。
ほんの少しの心配りでしみない快適なお口になれるかもしれません。
しみるというのは、歯が教えている危険のサインです。これを見逃さず、軽いうちに対処することが、長くご自身の歯で美味しく楽しい生活を送ることに繋がります。
by チョッパー