サイナスリフトという骨再生手術の話し
今日は 昨日おこないました手術で ちょっと専門的なお話です。
サイナスリフト とは 上顎の奥歯の位置の骨が 薄く インプラントを骨のなかに 埋入することができない場合などに 行う 追加の補助手術です。
1980年代から さまざまな 方法や 材料が考案されてきました。以前では 入院して 腸骨(腰骨の一部) を移植して行われていた時期も長くありました。
そして2011年の現在 では このような方法をもちいて 骨再生をはたしながら インプラントでかめるようにするような術式をしています。
Before 右上の奥歯が3本欠損しています。
レントゲンでは わかりづらいですが、骨は0mmから2mm程度しかありません。 また 右上の最後の歯の先端には 膿のふくろもできていますので、あまり長くもちません。近い将来 抜歯する予定ですが、今抜歯してしまいますと 見栄えがわるくなるので今回は まず 奥歯をかめるようにしてから おって 追加の処置をする計画にしました。
ここからは 手術の写真が出ますので ちょっと苦手な方はスルーしてください。
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骨が 大変うすいので、今回は サイナスリフトのうち ラテラル・ウインドゥ法という方法をおこないました。 採血もしておき、CGF という 骨再生に必要な 成分のみを抽出しておきます。
Concentrated Growth Facter といいます。治癒期間の短縮が期待できます。
試験管 3本分の血液から このような CGF を抽出します。
上顎の側方から 骨のみを慎重に切り取ります。
シュナイダーメンブレン という膜が見えてきます。
慎重に はがしてゆきますと 呼吸に一致して 風船のようにこの膜は動きます。
インプラントを埋入して さらに さきほどのCGF や 骨補填材を 入れてゆきます。
インプラントのフィクスチャーが見えますね。さらに 補填材料をいれます。
骨を もとどおりにもどしますと、 骨もきれいに再生してくれます。
これで 約5か月ほどまちます。
After
患者さまは 静脈鎮静法で うとうとしているうちに終わったんですよ。
もちろん 痛みもなく 70分 ほどで終了となりました。
なんでも かめる歯を手に入れるのは もう少しです。
すべては 患者さまの Happyのために・・・・・・・ By Hiro